リトミックとはスイスの音楽教育家・作曲家であったエミール・ジャックダルクローズ(1865-1950)が創案した、音楽を身体の動きと結びつけて体験しながら学ぶ教育法です。
その考え方は要約すると、身体的即時反応、などと日本語で訳す場合もありますが、この反応をするために音楽を自分で聴き、感じ、判断し表現する、というサイクルが常にある教育方法です。
音楽の要素である拍、テンポ、強弱、拍子、フレーズ等を単に耳を通してだけではなく、全身を使って身体を通して理解しようとするものであり、音楽の要素の本質を捉え、音楽構成の仕組みのより明快な理解を導くものなのです。
もっとも、日本では、小さな子供たちが楽器の始めるまでの導入教育と誤解されています。
しかし、リトミックの対象は幼児をはじめ、小学生から大学生、成人、高齢者、支援を必要とする方と大変広く、人生のすべての段階に置いて適用されるものです。
又、リトミックはリズム感や音感だけが身につくのではなく、その練習課題には人間として大切な基礎力が身につくようプログラミングされています。リトミックは音楽を使って行う、音楽を学ぶための総合教育であり、良い耳を育てること、感覚、空間、筋肉の感覚を育てることによって、より音楽的な表現を目指しています。